先日私の39歳の誕生日だった。
妻からプレゼント何がいい?と聞かれたため、悩んだ挙句にアリの巣観察キットをお願いした。
最近家の中にアリがたびたび出没して困っていたため、捕らえて観察するのだ。
39歳の誕生日にアリの巣観察キットをねだる異常性は十分理解している。
しかし理解しているということは逆に正常なのだ。
大した物欲も無くなり、奇行に走るお年頃なのかもしれない。
妻からはめんどいから自分で買って、と冷たくあしらわれたためセルフでAmazonで注文した。
2000円を現金で渡され、200円お釣りがきた。
そして翌日には届いた。無駄に速い。
こんなものまでお急ぎで届けるから日本の物流がパンクするのだ。
私が配達員で、箱の中身が見えていたならぶん投げていただろう。
アリの巣観察キットにも色々種類がある。
その中でも名前が素晴らしかった「ふしぎの国のアリのすハウス」にした。
これを企画した人は、思いついた瞬間にガッツポーズしたに違いない。
開封してみての第一印象、なんという狭小住宅…
あれだ、港区とかにある3階建の極細の家。
観察しやすいように薄く作られているらしい。
しかしアリにとっては十分な広さなのだろう。
早速ハウスの住人を見つけなければ。
妻に「アリ見た?」と聞くと「その辺に歩いてたよ」と返ってきたので、その辺を探索するとすぐに発見した。
どこからともなく源泉のごとくアリが湧き出てくる。どうなっているのだこの家は。
その後も立て続けに3匹捕獲した。知らん奴らで無理矢理同棲させられて、恋愛リアリティーショーみたいだ。
妻の好きなミスドを買ってきたので、アリの餌として分け与える。
自分の体の何倍も大きいハニーディップ。ポンデリングを布団にして寝てる奴もいる。
人類の夢ではないか。天敵もいないし、ここはアリにとってのユートピアだ。
しかしこんな居心地の良いハウスばかり人工的に作ってしまうと食物連鎖を断ち切ってアリクイが絶滅してしまう恐れがあるのが唯一の欠点だ。

