千葉県市川市にリッチーブラックモアという美容室がある。正しくは在った。
先日ご縁があり、閉店に伴うお片付けをさせていただいたのだ。
店主の方が体を壊し、不本意ながら店を閉めざるをえなくなったとのことだった。
店名のリッチーブラックモアとはアメリカのギタリストである。
ロックバンド、ディープパープルの元メンバーとしても有名だ。
ハードロックファンなら思わず看板を二度見するだろう。
店主がリッチーを好きすぎて店の名前にしてしまったらしい。
茅ヶ崎市民がいくらサザンを崇拝していても恐らく店の名前を「桑田佳祐」にする勇気はないだろう。
それをこの店主はやったのだ。
今回同行してくれた仕事仲間の太郎も夢追いかけ中のギタリストだ。
迷走し過ぎて今やVチューバーギタリストとしても活動する面白い男だ。
彼はリッチーブラックモアと元サザンのギター、大森さんを神と崇めている。
そんなわけで店主と太郎は初対面にも関わらずリッチー好き同士、延々とディープな話をしていた。
私は専門外のジャンルのため全く話に付いていけなかったが、何やらとても盛り上がっていたようだ。
店主は「リッチーより先に私の店が無くなるとは思わなかった」と寂しげにジョークを飛ばしていた。
きっと長年地元民から愛されたお店なのだろう。年季の入った、しかし清潔感のある内装がそう感じさせる。
店名に釣られて入ったお客様が、今日の太郎のように目を輝かせて店主とリッチー談義に花を咲かせていたのだろうか。
このお店が確実に街の風景、人々の営みの一部になっていたのだ。
こんな誰も見ていないであろうブログで申し訳ないが、店主からも掲載を快諾いただけたので
このお店が存在した証としてここに残させていただく。


話は変わるが、私の知人にミニチュア制作をしている人がいる。
経済的事情などでそのままの形で残すことは難しいお店や、思い出の品物をミニチュアとして再現するアーティストだ。
我々リユース業ではどうしても手が及ばない部分を埋めてくれる存在だ。
大切なものを失って喪失感を抱えている人は是非頼ってほしい。



